Arancione Fenice’s diary

趣味、いろいろ。日常、いろいろ。

ザンパテグリアート

ナポリのドレスシャツに見られるボタンの縫い付け方。

モードの世界は興味がないので分からないが、クラシックな紳士服の領域ではイタリアは特別な地位にある。イタリアの中でも北部のミラノや中部のローマ、南部のナポリとそれぞれ個性があって特にナポリはスーツにしろシャツにしろハンドワークを多用する高級品が多い。

ナポリのシャツではボタンの縫い付け方にザンパテグリアートと呼ばれる方法がある。一点を軸に三方向へ放射状に縫うやり方。この方がボタンの脱着に優れるのか単に見た目の優美さを優先したのかは分からないが、この方式はナポリで確立されたみたいだ。

ナポリの高級ドレスシャツでは立体的な縫製、着心地に影響が大きい肩周りや首周りにハンドワークを多用したり、超高級なレベルになるとボタンホールの仕上げからして手縫いだったりする。襟の仕上げも綺麗なカーブを描くように微妙なカッティングと縫製技術を駆使しているのが分かる。シャツもスーツも進化し過ぎていてマニアックに調べていくと何もここまやる必要はあったのだろうか?なんて思うこともしばしば。まぁそれが面白いんですがね。

最近は出勤制限が解除されてオフィスに出かける機会が徐々に増えてきた。私の職場では別にスーツを着なくても良いのだが、毎日客先にスーツを着て出かけていた時に揃えたドレスクロージングがまだまだ残っていて勿体無いので今でも会社に出勤する時に着用している。

私もかつてはそうだったのだが、スーツスタイルは肩が凝って好きじゃないという人は多いかと。でもちゃんとフィットしたシャツと上着だと腕が動かしやすくて肩が凝らない。こうした事実がもう少し知れ渡るとスーツスタイルを楽しむ人が増えてビジネス街の雰囲気も変わるかもなって思ったり。

ナポリのフィナモレ。糸がほつれてきたので縫い直し。