Arancione Fenice’s diary

趣味、いろいろ。日常、いろいろ。

ラガーの、あの苦味が良いな

暑い季節はビールをよく飲む。

もともと銘柄には強いこだわりはないのであるが、最近では滅多に見かけないノーマルのモルツを見つけたので飲んでみた。いつもはキリンのラガーと、安めの発泡酒の組み合わせが多いかな。うんモルツもうまいな。でもやっぱりラガーの、あの苦味が良いな。

小学生くらいの時に私の父はキリンラガーの瓶ビールをケースで購入して酒屋さんに定期的に配達してもらっていた。ちょっぴり舐めてみると苦くてアルコール臭くて大人は何でこんなものを飲むのかさっぱり分からなかった。

そんな父も今年78歳となり、コロナの影響もあって仕事を廃業。仕事と酒だけの人生だったので、この先はどうなんだろうか。

糖尿病を30年近く患い、食事制限しつつも酒は量を制限しながら飲み続け、とうとう毎日インシュリンを注射するようになった。もちろんそれでも酒はやめない。量はだいぶ少なくなったけれど。コロナに感染したら俺は死ぬって言ってて昔の父からは想像もできないくらい、病気に対して弱気になってしまった。もちろんそれでも酒はやめない。

私は量を控えつつも酒を愉しんで欲しいと思っている。酒が一番の楽しみなのだから。そのために働いて生きてきたのだから。

実家まで車で1時間。電車とバスを乗り継いで行ってもそのくらい。いつもは子供を連れて車で出かけるので実家で飲むことはほとんどないのだが、先月訳あって一人で電車とバスで実家へ出かけた。車を運転しないので父と一緒に酒を飲んだ。大層嬉しそうだった。父が一番の笑顔を見せるのは昔も今もお酒の瞬間なのである。

最近は杖をついて歩くようになり、残された時間が長くないことを予感させる。

また電車で来てちょくちょく飲んでくよ。そう言うと父は嬉しそうに、じゃお前のためにビールを買っておかなきゃと言った。

結婚して子供が生まれてからは週末は私が食事当番。自分で作るつまみのレパートリーも増えたし、作れる食事のメニューも増えた。両親に私の手料理を食べてもらい、酒を飲む機会を作ろうと思った。

私はお酒がそんなに強くない。今の父は酒が弱くなったので私とちょうど良いペースで飲める。次はいつ行こうか、寒くなったらビールではなく私がワインを持って行こうか。父は普段はワインを飲まないが、元々渋い赤ワインが大好き。親孝行を言い訳にモンローズのセカンドとか、イタリアのサッシカイヤとか買っちゃおうかな。

いつものラガーではなく、珍しいノーマルのモルツ