Arancione Fenice’s diary

趣味、いろいろ。日常、いろいろ。

さよならベルベスト

とうとう寿命を迎えた。Belvest

反射率18%グレーな感じ

スーツの王道、グレイフランネル生地。イタリアの名門ファクトリーであるベルベスト。

結婚後で子供が生まれる前の2009年頃に、Ships銀座店でセール品を購入。当時の相場で有名セレクトショップのオリジナルスーツの上級ラインくらいの価格で購入できた。

Ships銀座店は昔から対象年齢がミドルからシニア世代みたいで、他の店舗とは品揃えがちょっと違ってて、渋く大人っぽく、高級インポートが多い品揃え。そのためなのだろうか、このベルベストはDrop6でオッサン体型に理解があるサイジング。オサレなセレクトショップの標準はDrop8なので、ウエストのスリムな若者向けだ。

一番、太っていた時は手持ちのスーツで着られるのはこれ一着なんて頃もあって、その時は毎日のように着用して通勤。霜降りミディアムグレーのフランネルなのでカジュアル感もあり、上着だけジャケットとしても着られるし、フル活用してた。

生地はバリッとした英国風ではなく、かと言ってクニャクニャでもない。光沢感もなくカシミヤのような柔らかい手触りでもない。ウェイトは350g位だと思う。このくらいの重さだと生地の重みで着た時に縦の線が綺麗に出るし、皺も伸びるからだらしなくなりにくい。

肩から胸にかけて薄めのパッドを使い、流行りのマニカカミーチャではなくて行き綿を使って構築感を出している。アームホールはキツく攻めた感じではないが、可動域が確保されて腕も動かしやすい。

ヘビーユースしてたので肘から袖にかけては生地が磨耗して起毛感が無くなってくるも、霜降りグレーなので目立たないからまだもうしばらく着られると思っていた。年末に何気なく痛み具合をチェックしてみたらお尻の部分の生地が破れそうなくらい薄く磨耗してた。

キツかったプロジェクト。遠くの客先まで2時間かけて毎日7時前に出勤。帰宅は深夜。二人の子供が小さくて仕事と育児で毎日疲弊してた頃を思い出す。育児に金がかかり、貯金は凄い勢いで減ってゆく。心身ともに疲れる日々で金銭的にも厳しい。珍しく早く帰宅出来た時には「パパ帰ってきた!」とキャッキャッとはしゃいで出迎えてくれる二人の子供達が癒してくれた。太いサイズのスーツどころか、保育園の行事撮影もデジカメ用の望遠レンズが買えたのは年長になってから。保育園の卒園式、小学校の入学式にはデブってて着られるのはこのグレーのベルベストしかなかった。

思い出は消えないけれど、思い出すきっかけとなる物を手放すのは思い出を手放すようでちょっと寂しい気持ちになる。物を捨てるって難しい。