Arancione Fenice’s diary

趣味、いろいろ。日常、いろいろ。

断捨離したロロピアーナ生地のコート

ロピアーナのメルトン生地。

明るめに写っているけれど霜降り感のあるチャコールグレー

90年代後半に銀座のエディフィスで買ったイタリア製ラグランスリーブのステンカラーコート(海外では違う名称だそう)。セールで2万円台で買ったのを覚えている。

この生地はメルトンっぽいのにロロピアーナらしく手触りは滑らか。でもウール100%でカシミアは含んでない。一般的なコート用のウール生地よりも密度が高く、厚みもあって風を通しにくくて気に入っていた。おそらくウェイトは500gくらいではないか。今の時代の主流になっている薄くて軽くてクニャクニャ柔らかい生地なんかと違ってしっかり感がある。生地好きの私に刺さった生地。

まだ20歳代の頃。冠婚葬祭とかスーツを着たときに合わせられるコートを一着くらい持っていないといけないと思っていたのでこのチャコールグレーのコートを衝動買いしてしまった。色味とデザインから、カジュアルには使いにくいので主にスーツスタイルの通勤時に着用。他のカジュアルなコートと併用しながら25年くらい愛用したことになる。

大見返しなので前身頃は生地が二重になっていて基本的には暖かい。でも90年代後半のテイスト。サイジングがブカブカなのである。アームホールもデカくって電車の吊り革を掴もうと腕を上げようとするとコートの重みが腕にかかって疲れる。ブカブカなのでコートとスーツの間に空間が出来てしまい、歩いているとその隙間に冷気が裾から入ってきてしまって寒い。そこが不満だった。

霜降り具合と密度が高いにも関わらず滑らかな生地感が気に入っていたのだけれど、長年愛用した感謝の気持ちを込めて断捨離した。クローゼットのスペースにも限りがある。フォーマル、ビジネス向けコートの後任はカノニコのダブルメルトン生地で仕立ててもらったネイビーのチェスターコート。私の寿命が尽きるまで愛用できるだろう。