Arancione Fenice’s diary

趣味、いろいろ。日常、いろいろ。

邦楽は音が悪い?

音圧競争という言葉がある。その影響みたいだ。

アンプの実物を見に秋葉原へ出掛けて有名オーディオショップのおっちゃんと話していた時の事。

 

スピーカーは何使ってるの?

Sonus faber sonetto1

どんな音楽を聴くの?

最近好きなのはフュージョンとか、ファンクっぽいジャズとか。

ほほう。じゃ、マッキンでこいつを聴いてみて。

King Curtis / Live at Fillmore West

これ知ってる?

いや知らない。

これはJazz Funkの代表作の一つだね。オススメだよ。

 

このCDを取り出してプレーヤーにセット。McIntosh MA8900にLogersのスピーカーだったかと思う。解像度が高いという音ではないんだけど、ヌルッとした滑らかさと音が塊になって前に飛んでくる感じは凄く魅力的だった。アンプを買うならどうせならこのクラスに行ってしまった方がこの先迷わずに済むよ。とはいえ100万円近い値段だし、デカいし自宅には置けない。資金繰りを含めて検討しますと伝えてショップを出ようとした時。

 

CD買うなら海外からの直輸入版にしな。国内版はね、音が悪いよ。

 

その時は意味が分からなかったけど、今ならわかる。マスタリングの違いだ。国内でマスタリングされた音はオーディオ的にはつまらない音であることが多い。「邦楽は音が悪い」とか「音圧競争」「海苔波形」というキーワードでweb検索してみるとこの手の話題が沢山ヒットするので詳しくはそちらを参照頂きたい。要は音圧を極限まで上げるためにコンプをかけて音を無理くり詰め込んでいるようなのだ。そのせいで楽器の音色、ボーカルの声音が歪んで鮮度が抜けてしまうのだ。Web検索すると音圧を上げる理由について書かれた記事も見つけられ、それはオーディオ好きにとっては特に意味のない理由だったりする。大きな音を聴きたければボリュームを上げれば良い話だ。音圧を上げるために音を加工して本来の音とは違う音に歪ませるなんて迷惑でしかない。

クラシック全般や楽器の少ない、音の少ないスローテンポのバラードなんかはこうしたマスタリングは少なくて楽器の音色とボーカルの声音の鮮度が保たれたオーディオ的にも不満ない音が聴ける事が多いのだが、にぎやかな曲になるともうダメである。洋楽も最近はその傾向があるようだが、それでも洋楽と邦楽とでは音が違う。音色の鮮度が違う感じがするのでサブスクなんかで比較するとよく分かる。

もうハイレゾだとかロッシーだとか以前の問題だと思うのだ。せっかく良いオーディオを揃えてもこれではガッカリである。