Arancione Fenice’s diary

趣味、いろいろ。日常、いろいろ。

Martin & Son's FRESCOで仕立てられたR.CARUSO

私の考える最強の夏用スーツ生地。

イギリスの生地メーカーであるマーチンソンがおよそ100年前に開発したスーツ用生地にフレスコというのがある。2本又は3本の糸を捻って太くして(2Ply/3Ply)、それでスーツ用に生地を織ったもの。パッとみた感じでは生地に厚みがあって、触ってみるとザックリとしていて生地にパリッとハリがあって固くシワになりにくい。光源に透かして見るとガーゼのようにスカスカ。一般的な夏用スーツと比較してもスカスカ具合は最上位。ウェイトはおそらく340g/mくらいだと思う。一般的な夏用スーツ生地は220g/mくらいなのでこれはかなり重め。似たような生地はイギリスのメーカーでよく作られているけれど、織り方や糸の捻り方や柔らかさが各社微妙に違いがあって面白い。

安くもない。一般的に人気がない。光沢もなく手触りもざらっとしていて女子ウケしない。女子ウケとかどうでも良くなってしまったスーツ好き、スーツヲタが好む生地。カノニコの4plyなんて売り切れたりするくらい人気があるけれど、それはオーダースーツの世界の話であって既製品とは違う。

イタリアのMACO社のファクトリーブランドであるR.CARUSO。裏地は袖だけで身頃は大見返しという仕立てで、スーツ生地のまま。パットは使わず、薄い芯だけが胸や肩に入っている軽い仕立て。抜群の通気性で涼しい。

パターンは撫で肩気味で私にはあまり合わない。生地も固めなので伸縮して馴染むのも時間がかかる感じだし、ツキ皺が出るのでショップでちょっと切ってもらうお直しをしてもらったけど肩の傾斜を変えるとかできるわけじゃないのでピッタリフィットしたわけでもない。日本製と比較すると縫製は丁寧とは言えないけれど、アイロンワークがよくできている感じで肩周り、胸まわり肩甲骨周りのフィット感は良好。

柔らかめのサキソニーフランネル生地のR.CARUSOも所有していたこともあり、そっちはよく身体に馴染み、ツキ皺も少なくて具合良かった。どちらもヘビーローテをこなしてくれて、あちこち擦り切れてしまい、今はもう手元にない。

次に夏用生地でスーツを仕立てる時もMartin & Son's FRESCOでオーダーしたい。

写真の色がおかしいけど。