Arancione Fenice’s diary

趣味、いろいろ。日常、いろいろ。

Campangolo Chorus 10sを使う理由

この時代のエルゴパワー(ブレーキ兼シフトレバー)のフォルムに惚れたから。

見惚れてしまう造形

カンパニョーロのロードバイクコンポーネントはこんな階層でグレード展開されている。

  • Super RECORD(10段変速の時代は存在せず)
  • RECORD
  • CHORUS
  • CENTAUR
  • VELOCE

(更に下位グレードのXENONやMIRAGEはここでは除外)

(11段変速の時代はCHORUSの下にATHENAやPOTENZAがあったが今は消滅)

この中で上位からコーラスまでが、設計がほぼ同じで素材や重量が違うのみと考えて良いみたい。上位グレードほど軽量さを追求したパフォーマンス最優先の仕様になっていて耐久性という意味ではコーラスが良いという話だ。これがコーラスを選んだ理由でレコードよりもリーズナブルな価格なのも嬉しい。元々日本のカンパユーザーというのは昔から金持ちの道楽的な要素もあって最上位グレードのユーザーが一番多いという特殊な市場だった模様(現在は不明)。メジャーなものは避けたいというマイナー嗜好が私にRECORDを選ばせなかったというのもあるかも。

さてこのエルゴパワー。いわゆるデュアルコントロールレバーと一般的に呼ばれるブレーキと変速機を兼ねたレバー。はじめて日本のシマノが発明してカンパニョーロが追随し、SRAMが登場して今ではスペインのROTORも作っていたように思う。各社現行モデルを含めて、2000年代中頃のカンパニョーロのレバーの形状が最も美しいと今でも感じる。特にシャローハンドル(曲がりの浅い丸ハンドル)との組み合わせが。

組み上げは、老舗の有名店を長年勤めたベテランが独立して隣駅にショップを開業したのでそこに依頼。完成車販売ではなく、スポーツバイクのメンテナンスをメインビジネスにしている類のショップで、この時代のカンパニョーロのメンテナンスも知識十分という感じでありがたい存在。このエルゴパワーは状態が良さそうに見える中古品を選んでヤフオクか中古パーツ屋で通販で買ったと記憶しているが、左側レバーの内部スプリングがへたっているということでこのままでは変速に支障が出るとのこと(右側もヘタリ気味だけど機能に支障なし、だそう)。ショップの店長が知り合いのショップにあったパーツを入手してスプリングを交換してくれた。こういうのは素人にはわからない世界なので中古パーツを素人が集めて自分で組むのはちょっと怖いと思った。中古で入手したリアディレイラーも、2つ付いているプーリーの1つにブッシュが入ってなかったことが判明。素人がバラして出鱈目に組み上げたものみたいだ。たまたまショップで在庫していた社外品のプーリーに交換してもらった。

話が外れてしまった。

実際に組み上がったコーラス10sの使い勝手やいかに?リアディレイラーの巻き上げレバー(右側レバー)のストロークは何と11sアテナより短くて軽いではないか!フロントディレイラーの巻き上げレバーは11sアテナとの違いは感じられず。解除ボタン(フロントはインナーギアへ、リアはトップ側へ変速)はどちらも11sアテナより軽い。耐久性は不明だけど、アテナは退化していたのか?変速機の方式はどちらもウルトラシフトと呼ばれる方式で両者で差はないはず。

レバーの握り心地は11sの方が上かもしれない。レバー上部の出っ張りが11sの方が長く、さまざまな握り方ができる上に一般的なブラケットポジションでの握り心地も若干ではあるが、親指と人差し指の間をレバーに引っ掛ける感じが11sアテナの方が強くて安心感があると感じた。10s、11s、12sと正常進化していると言って良いのかも。11sがリリースされた時は不細工になったと一部から不評だったが、実際には使いやすくなったと感じた人が多かったのだろう。

ただ不細工は不細工。私的には10sの形状が至高という思いは変わらずである。ブレーキを操作する時以外はブラケットではなくハンドルを握っていることが多いし、ブレーキレバーが短いのでブレーキレバーの握り心地は軽快だ。

10sのレバーの造形は今となってはシンプルに見える。11sや12sの現行モデルはもっと複雑な造形をしているところに時代の違いを感じる。CADアプリや製造工程の進化でこうした製品を設計しやすく製造しやすくなったのだろう。造形がシンプルにな分、今の時代のウネウネしたカーボンモノコックのようなフレームとのマッチングはイマイチかもしれない。でも丸いチューブで組まれた金属フレームには合いそうだ。

実は10sコーラスは未使用品のエルゴパワーをもう1セットストックしてある。もうこのままカンパ10sのまま、ロードバイクライフを突っ走ってもいいような気がしている。次のフレームは丸いチューブで組まれたチタンかスチールがいいかな。オーバーサイズのチューブで組まれたモダンな金属フレーム。